【開館時間】火曜~金曜(祝日・毎月最終金曜、年末年始を除く):午前9時~午後7時(子ども読書室は午後5時)、
土曜・日曜(年末年始を除く) 午前9時~午後5時
【定例休館日】月曜、毎月最終金曜、祝日(土日除く)、年末年始
【特別休館日】特別整理期間(蔵書点検等を行います):2017年2月20日から24日
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5月は図書館振興月間です

 4月30日は図書館記念日で、それに続く5月は図書館振興月間です。

 図書館の歴史は古く、現在のシリアのエブラに紀元前2900から紀元前2000年くらいにあった記録の保管庫が見つかっています。図書館というよりは文書庫ですが、いわゆる行政文書や契約書に限らず、叙事詩や神話なども粘土板として出てきています。

 古代で非常に有名な図書館としてまず挙げられるのは、アッシリアのアッシュル・バニパル王が紀元前7世紀につくったものです。アッシリアは、最初のオリエント統一帝国ですので、この遺跡から出てくる粘土板のおかげで古代史がわかるわけです。

 また、エジプトの紀元前3世紀からできたアレクサンドリアの図書館は古代世界最大と言われています。東方遠征をしたマケドニアのアレクサンドロス大王を記念してアレクサンドリアという都市の名前になっていますが、アレクサンドロスの帝国の分裂後、プトレマイオス朝がエジプトに成立し、この王朝がこの大図書館をつくって行きました(行きました、というのは、だんだん大きくなり、1館ではなく、2館以上、ムーサイオンとセラペイオンですが、あったらしいからです)。かのエリザベス・テイラー主演のクレオパトラの映画を見た方は、クレオパトラ(7世)が、ああ、図書館が燃えると言って動転している場面を覚えてらっしゃるでしょうか。クレオパトラは美女というだけでなく、何ヶ国語も使えた才女です。高知出身の宮尾登美子さんも小説『クレオパトラ』でそのへんをいきいきと描写しています。

 最近でも、「アレクサンドリア」という映画がつくられ、この中では、悲劇の才女ヒュパティアが描かれています。彼女は、父親は図書館長の数学者で、天文学もものにした新プラトン主義の学者であり、一部のキリスト教過激派に惨殺されたと言われています。

 この図書館では、カリマコスという人が目録を作成していて、だいたい60万から70万巻くらい蔵書があったのではないかと言われています。ただ、ここは、後にキリスト教徒の一部やイスラム教徒の一部に破壊されたり、災害や虫に食われてやられてしまい、7世紀にはなくなってしまいました。残った書物がその後どうなったのか、よくわかりません。

 ヨーロッパも中世になると、文化が停滞したイメージがありますが、実際には、修道院が書物を写本することなどによって伝えました。キリスト教の影響下に置かれたので、失われたものも多いと思いますが、必ずしもキリスト教のものばかり残したわけではありません。実は、アラビア語から翻訳されたものもあります。

 ただし、このような図書館は誰でも使えるものではありませんでした。ローマ帝国では市民が使える図書館もありましたが、それが世界に普及するということにはなりませんでした。

 今の公共図書館の原型と言えそうなのは、1848年に設立されたアメリカのボストンの図書館です。ここでは、一般市民に対して無料の貸出しも行いました。

 日本では、明治11年(1878年)に東京書籍館が設置され、高知書籍館(高知県立図書館の前身)も翌年の明治12年(1879年)8月に設置されています。その後、明治21年(1888年)10月に高知教育会に寄託され高知図書館となり、高知県立図書館としては、ちょうど100年前の大正5年(1916年)3月に高知市丸ノ内6番地に新館を落成し、スタートしています。

 現在の建物は、昭和48年(1973年)8月に落成し、それより前の約3倍の収蔵能力(30~33万冊程度)となりましたが、現在では、部屋や展示スペースを潰したり、集密書庫を入れたりして、およそ倍以上の資料をつめこんでいますが、それでも入りきらないので、休校になった高校にも保管しています。全国の都道府県立図書館の中では最低の面積(分館を除く)となってしまっています。そうしたことから、高知市民図書館本館と一緒の建物(合築)になりますが、1万7千平米台となる「オーテピア高知図書館」(新図書館等複合施設の図書館部分)を、現在、建設中です。この図書館は、オープン時は県市あわせて140~150万冊程度になり、限界収容能力は205万冊としています(雑誌等の薄い資料があることも見込み、ぎりぎりまでつめこみ、個人貸出しや団体貸出し、市町村立図書館等への貸出し等で外に出ている部分が相当数あると見込んだ場合の想定値です)。

 戦後、昭和25年(1950年)に図書館法が制定され、公立図書館の利用(貸出しや閲覧等)は無料でなければならないとされました(コピーのようなものは除く)。ここで、無料としたのは、CIE(米国の教育視察団)の意向が大きく反映していると言われています。日本で民主主義が育たなかったのは、その教育に大きな原因があると考え、民主主義を支える国民の育成のために図書館は無料でなければならない、つまり、主権者たる判断ができる知性を備えていなければならないと考えたためです。

 今でも、公立図書館が無料である理由は、図書館は教育機関であり、主権者としての住民の教養や知識の向上に資するものであり、学習権を保障するものと考えられています。これらの精神はユネスコの公共図書館宣言等に表されています。

 これからの図書館は、電子化された資料の提供等も行わなければなりませんが、電子化自体に非常に手間と費用がかかること、電子化しても、内容が失われないように、定期的に膨大なデータを移行していかなければならないこと、市販の電子書籍等は、図書館で購入する場合、紙の本の何倍、場合によっては10倍以上の価格となることなど、課題は山積しています。また、全国的には、図書館の予算は減り、正規職員としての司書も減っています。また、人口減少の中で、施設の統廃合・複合化が求められ、公共図書館としては、非常に困難な時代を迎えています。

 その中にあって、新しいオーテピア高知図書館では、正規の司書を採用し、県と市が責任を持って直営で運営することを明らかにし、資料費も一億円をベースとすることとしています。県民・市民の読書環境・情報環境を向上させていくとともに、「地域を支える情報拠点」としてビジネス支援・産業振興や健康長寿県の実現など仕事や暮らしの課題解決に資する図書館となることを目指しています。