観光庁では、これからの旅行の新しいあり方として「ニュー・ツーリズム」を振興していますが、それと並んで、「ユニバーサル・ツーリズム」を推進しようとしています。
これは、従来、なかなか観光の主体として考えられなかった障がいのある方なども旅行を楽しめるようにという考え方です。
この分野の本は、まだ少ないですし、分類もその性格上、障害者福祉の方に分類されていたりと、まちまちですが、高知県立図書館では、下の写真のような本を所蔵しています。
・旅の夢かなえます 三日月ゆり子著 大日本図書 2008.5
子ども読書室 689 ミカ
子ども向けに書かれた本ですが、大人の方でも十分、参考になります。
次の5章からなっています。
第1章 景色が見えなくても旅は楽しい 一人旅がくれた宝物
第2章 行きたい気持ちの背中を押して 高齢者や障害者の旅をつくる
第3章 旅で決意した自立生活 電動車いすでどこへでも
第4章 バリアフリーは楽しみながら ユニバーサルデザインのホテルをめざしたアイディアマン
第5章 ちがいに出会えば出会うほど 外国からの旅人をむかえる小さな旅館
この中で、12歳のときに失明した方は次のように言っています。
「景色が見えないのに、なんで旅をするのかと思うかもしれません。でも、たとえば友だちとけんかしたり、勉強や仕事でうまくいかないことがあったとき、旅に出てリフレッシュしたいと思いますよね。それは、目が見えていても見えなくても、変わらないことだと思うんですよ」(p.18)
・パラダイス・ウォーカー 中村勝雄著 小学館 2011.12
297.6 ナカ
車いすでハワイ、香港の一人旅にチャレンジした記録です。
・障害者旅行の段階的発展 井上寛著 流通経済大学出版会 2010.10
369.27 イノ
障害者の旅行について本格的に論考した本。