業界研究 食品産業編 1 食品産業の概要を知るには

 高知県立図書館ジョブ・コーナーの紹介を少ししてきましたが、ジョブ・コーナーにない本でも業界研究の本はあります。とくに、2階のカウンターすぐ近くの「参考資料コーナー」には、通読するのではなく調べるための本が置いてあります。これらの本は、貸出しはせず、図書館内でご覧いただいています。

 

 各業界には、たいてい「業界紙・業界誌」と呼ばれる専門の新聞や雑誌があり、それらを発行している出版社は、図書も発行していることが多いです。当然、その分野について詳しいところですから、図書も大変、参考になります。

 

 食品産業では、『日本食糧新聞』という新聞があり、ここが発行している図書にはいろいろ参考になるものがあります。

 

 日本食糧新聞社が発行している『食品産業事典』は、現在、改訂第9版が発行されています。高知県立図書館の参考資料コーナーでは、分類番号588.03 シヨに置かれています。

 

 588は日本十進分類法で「食品工業」の分類番号です(5は工業、58は製造工業、588はさらに細かい区分。)。“.03”は、参考図書(事典等)につける補助的な番号です。

 

 この本では、食品産業関連業界を31分類し、158品目を紹介しています。

 

 たとえば、高知に関係の深い「鰹節・削り節」の項目(同書上巻399ページ)を見てみますと、家計調査として、「1世帯あたりの年間支出金額、購入数量、平均購入価格」「100世帯あたりの月別購入頻度」「主要都市別年間支出金額ランキング」のデータが載っています。このデータを見ると、那覇市の支出金額が飛びぬけて高いことがわかります。

 

 ほかに、POSデータ、貿易統計、産業の沿革・歴史、産業の特徴、産業の規模、直面する課題、製造法、品質・規格・表示、衛生問題、容器・包装、取引標準数量・製造消費シーズン・年度・中央団体、重要特殊用語が載っていて、全体として8ページにまとめられています。

 

 短時間で、概要を知りたい場合に非常に便利な資料ではないでしょうか。

 

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