図書館職員研修

 

 

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 2014年2月28日、高知県教育センター分館において、図書館職員研修を行いました。午前中は中級研修として「図書館のビジネス支援」(講師:高知県立図書館 山重壮一)、午後は上級研修として「公共図書館の学校支援」(講師:東京学芸大学附属小金井小学校図書館司書 中山美由紀氏)を行いました。

 図書館のビジネス支援は、図書館の資料その他の情報源を上手に活用すれば、ビジネスにも役に立つものであること、また、ビジネスに役に立つ資料・情報源を図書館で揃えられるように予算もつければ、投入されたお金は、単に消費的に消えるものではなく、地域の産業振興に役立つことによって、フィードバックがあるサービスとなり、社会貢献の度合いや付加価値創造の度合いが高いサービスであることがポイントです。

 公共図書館の学校支援は全国的な課題となっています。学校には学校図書館が置かれることが法律でも定められていますが、十分な図書費を持った学校図書館は多くないのが現状です。国では、学校図書館について学校図書標準を定め、地方交付税で学校の図書代も見積もっていますが、この地方交付税分も使っていない学校が多数あります。公共図書館が支援する以前に、まず、学校が自校の図書館の資料をある程度以上、揃えることが当然の前提となりますが、たとえ、それを揃えたとしても、総合的な学習や、その他の教科学習を支援する資料としては足りません。今の学習指導要領や教科書では、テーマについて調べてまとめてみようというような書かれ方がされているところはたくさんあり、これらにていねいに対応していくと、学校図書館の充実は当然としても、それでもなお足りないことは明らか、つまり、学校図書館を支援できるように市町村の公共図書館も充実しなければならないということは明らかです。しかし、現状はなかなか、この理想に追い付いていません。

 また、一方で、教員側の学校図書館活用のイメージができていないということも課題です。今回の講師である中山さんは、文部科学省のプロジェクトから出発した「先生のための授業に役立つ学校図書館活用データベース」で中心的に活動されている方です。

 学校側、図書館側、双方で努力が必要なことですが、21世紀を担う教育においては、図書、雑誌、新聞、電子メディアその他の情報源を総合的に活用し、評価し、総合して、自身の学習、仕事、様々な活動に取り入れて行くという能力の育成は基本的に重要なこととなります。21世紀のリテラシーとも言えるでしょう。

 公共図書館も学校図書館も、ともに、21世紀のリテラシー育成の中心的機関となります。地域の競争力を高めるためにも、ぜひ、充実しなければならないところです。そのためには、予算がなければ何もできませんが、それ以前に、担当職員やスタッフの認識や意識が重要です。今回の研修が、県内の職員やスタッフの認識・意識づくりの一助になればと考えています。