高知県立図書館朝読会(水曜会)第11回~第13回

 2014年1月29日に第11回、2月5日に第12回、2月12日に第13回を行いました。第10回から、『古代エジプト文明』(大城道則著 講談社選書メチエ)を読んでいます。

 シュメル文明の次に古いと思われるエジプト文明です。

 第11回に序章と第1章 ミノア文明と古代エジプト文明、第12回に第2章 異民族ヒクソスの時代、第13回に第3章 アクエンアテン王の宗教改革と多神教世界を読みました。

 いきなりミノア文明まで飛び、それとのエジプト文明との関わりから始まるユニークな本です。エジプト文明というと、なんとなく孤立したイメージを抱きがちですが、実際には、諸地域と交流のあった文明であることがわかります。第2章のヒクソスについても、それほど敵対的な関係ではなかったのではないか、という指摘が目からうろこでした。

 第3章も、教科書どおりとは若干違ったことが書いてあって、確かに、アクエンアテン王は神官の勢力は排したかったが、他の神様たちと敵対したわけではないことを述べています。アテン神の一神教的性格は、一神教に価値観を置く欧米の人たちによって、必要以上に強調されすぎているのかもしれません。

 

 試験に役立たない世界史ということではじめた読書会ですが、いろいろ読むとかえって、世界史の教科書とは若干違った世界が見えてきます。