『土佐國群書類従拾遺』第2巻の刊行について(ご案内)

日ごろは県立図書館のご利用や出版事業にご協力をいただき、感謝申し上げます。

刊行が順延となりご迷惑をおかけしましたが、このたび『土佐國群書類従拾遺』全7巻のうち第2巻が刊行の運びとなりました。

今回の第2巻は、巻12から巻20までを収めます(ただし、巻15・16は欠本)。これらの巻は法令関係を収める法度部の一部と藩主の事歴に関する史料を収めた主家部、各種の年譜類を収めた系譜部に相当しますが、その内容の一部をご紹介します。

「續明法新編」は、既刊第1巻に収録された「明法新編」の続編であり、鎌倉期から江戸時代までの各種法令を集めたものです。長宗我部元親の制定した「長曽我部元親百箇条」も収録されています。

天文14(1545)年の誕生から慶長5(1600)年の関ヶ原の合戦の後、土佐国主に任ぜられるまでの山内一豊の武功を綴ったのは「一豊公御武功記」ですが、本書には前半部分は収録されておらず、天正19(1591)年の掛川での馭初以降の記事が収められています。また、「藩翰譜抜書」には、一豊の妻見性院が夫のために名馬を買うエピソードなどが記されます。

「容堂公附歩士某筆記」は、文久2(1862)年9月24日から翌年1月7日までの記録。謹慎が解け、幕政改革に向けて気力十分である山内容堂の、他藩の人々と酒席を中心に交流する様子や、家臣との関わりなどがリアルに描かれた、幕末史を考えるうえでもたいへん興味深い史料です。

「遺蹟後鑑」は上中下の3巻から成りますが、上巻は2代藩主忠義、中巻は3代藩主忠豊、下巻は4代藩主豊昌の藩政をはじめとする様々な出来事を編年体で記したもの。

「古城主系圖雑記」は、『南路志』闔国部のうちの古城の記述から、系譜部分を抜き出して整理したものです。

また、「武田氏家譜並系圖」は、代々庄屋を勤めた武田家の系図。明治になって第11代目の当主である武田信智が上京、三菱汽船から大蔵省、東京府と転職していく様が如何にも明治という時代を映しているように思われます。

土佐の歴史・文化を知ることのできる本書を、ぜひ既刊の『土佐國群書類従』も含めて、ご活用いただきますようご案内申し上げます。

平成25年12月17日 高知県立図書館

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頒価・・第2巻 10,000円(本体価格9,524円+税)

なお、送付を希望する場合は、送料として別途340円が必要です。

(注:表示価格は平成26年3月末日までの価格です)