本日、2013年12月15日の午後、高知県手話通訳問題研究会の方々に県立図書館の概要の説明と、聴覚障害と図書館サービスについてのお話をしました。
実は、図書館側でも、聴覚障害の方について、図書館利用に障害のある人へのサービス対象として考えるようになってきたのはわりと最近のことで、以前は、聴覚障害の方が、読書に障害があることは、あまり理解されていませんでした。
生まれた時から、あるいは、小さい時に聴覚障害になった方の中には、文章を読むこと自体が苦手な人もいます。言語そのものが、音声と密接に関係したものだからです。最近は、やさしく書かれた本としてLLブックというものが出版されてきていますが、これは、まずは、知的障害や学習障害の人をねらっているところがあります。聴覚障害の方にも使える部分はあるかと思いますが、これだけでは十分ではありません。
文章が苦手な聴覚障害者でも手話なら得意な方もいらっしゃいます。聴覚障害者の中で手話が使える人の率は高くはないのですが、それは、中途で聴覚障害になった人も少なくないからです。また、以前は、聴覚障害者に対する教育として手話が禁止されていた時代さえありました。今は、聴覚障害者に対して手話が教育されるようになってきたので、生まれた時から、あるいは、小さい時に聴覚障害になった人は、手話は母語に近くなっています。言語としての手話そのものによる資料(映像資料になるでしょう)を収集することが重要になってきています。
今回のお話では、今後、どのような資料をそろえればいいのか、また、話をしようということで終わりました。皆さんのご協力のもとに、良い方向に進むようにしたいと考えています。